山口さんの仕事について教えてください。
「スノーピークビジネスソリューションズ」では、「スノーピーク」の製品や野遊びのノウハウを、お客様のビジネスに活用して新しいワークスタイルを創造して頂くサービスを提供しています。例えば、企業のオフィス内をスノーピークの製品でコーディネートさせてもらい、コミュニケーションを取りやすい場所や、新しいアイデアが生まれる空間を作らせて頂いてます。また、オフィスの外に出て、自然豊かな環境やキャンプフィールドを利用し、普段の会議や社員研修の場所を提供し、人の関係性をより良くしながら新しい発想や気付きを与えビジネスに活用して頂いています。
スノーピークの製品をオフィスに導入することで、どんな変化があるのですか?
私たちがオフィスをコーディネートする際は、スノーピーク製品ももちろんですが、緑を多く配したり、木材などナチュラルな素材を使って、少しでも自然を感じられる空間づくりを施します。こうすることで一般的なオフィス空間に比べて、ストレスを感じにくくなるんですね。また、イスや机もアウトドア製品なので、組み立て・収納・移動が手軽なんです。だからわざわざ会議室に行かなくても、空いてるスペースに椅子と机を集めてくれば、どこでも会議ができます。従来のオフィスと比べて、コミュニケーションがとりやすくなる効果があると思います。実際の事例を挙げると、最初は「オフィス家具に比べて安い」というきっかけで導入を決めてくれた企業があったのですが、結果として社員の出勤率が上がったという声をいただきました。
スノーピークはユーザーさんとの繋がりが強いと感じるのですが、その秘訣はなんですか?
今では、SNSなどを通じて企業がユーザーとコミュニケーションを取るというのは一般的ですが、スノーピークはずっと以前からやっていました。それこそネットだとBBS※を使ってましたね。キャンプイベントを開いてリアルの場でユーザーさんと交流する、ネット上ではBBSで交流するという2つの軸でユーザーさんと交流していました。BBSには決まった担当者を設けるのではなく、社長から開発スタッフまで全員で書き込みしていましたね。また、それぞれの店舗が購入者の方に電話することもよくやっています。「購入製品の使い心地いかがでしたか?」と言った具合に。こういった感じでユーザーさんと積極的に交流しようとする会社です。社員じゃないのに、みんなが顔を知っていて、一緒の仲間みたいになっている常連のユーザーさんもたくさんいます。変な会社ですよね(笑)。
※BBS・・・電子掲示板。SNSの登場以前、ネットユーザー同士がコミュニケーションをとる主な手段がBBSでした。
テーマエキスパートとして、どんなことをしたいですか?
まず我々の大前提として、ワクスタの運営会社である「三井不動産」にできないことを補うというのが使命だと捉えています。特に会員同士を直接つなげたり、そこでのコミュニティやカルチャーをつくるのはスノーピークが得意とするところです。ワクスタは完成度の高いオフィス空間だと思います。ここにいたら快適ですし、仕事をする上での不満はほとんどなく、完全に安定した環境です。ですので、私はテーマエキスパートとして、ワクスタで働く人達を不安定な環境、つまり自然の中に連れ出したい。自然の中だと天候・気温・服装なども考えなくてはいけないですから、そういった部分で人間性が鍛えられるところもあります。また、人間は自然の中だと想像力が働くんですね。三井不動産が完成度の高いオフィス空間を提供し、野遊びを得意とするスノーピークが自然界へユーザーさんを連れていく。安定した環境と不安定な環境を行き来することで、新しい何かが生まれてくると思うんです。これ、本気でやってみたいんですよね。
プロフィール
山口 昌浩
野遊び、アーバンアウトドア
株式会社スノーピークビジネスソリューションズ取締役 /
株式会社スノーピーク地方創生コンサルティング 専務取締役