THEME EXPERT テーマエキスパート

テーマエキスパート インタビュー

1970年代から幾度もの「ワインブーム」を経て、もはや日本人にとって定番と呼べるほど、日常に浸透しているワイン。今回お話を伺った林さんは、美味しいワインをただ販売するのではなく、他にはない体験価値と共に提供しています。現在のビジネスにおけるキーワードである「体験価値」を林さんはどのような形で提供しているのでしょうか。

林さんの普段のお仕事について教えてください。

うちの会社は創業して10年になります。現在では色々なビジネスへと発展して様々なビジネスモデルがあるのですが、根幹となる事業は、イタリアンワインを現地からお客様へワンストップでお届けするビジネスモデルです。私の兄がイタリアでソムリエをやっていまして、直接現地の生産者を訪れて仕入れてきたこだわりのワインを体験価値と共に提供しています。

(編集部注:林さんのお兄様である「林 基就」氏は、エスプレッソ誌のレストランガイドブックで「年間最優秀ソムリエ賞」を受賞、イタリアで最も権威のあるワインアワードで「最優秀賞」を受賞するなど、イタリアでNo.1を獲得した日本人ソムリエ)

どのような体験価値を提供されているのですか?

まず、私の性格なんだと思うのですが、ただ良いモノを見つけて売るだけだと、あまり自分がそのサービスに携わる意味がないと感じてしまうんです。何か自分たちが関わっているからこその価値をつけないと我慢できないというか。そこで、5〜6年前から「イタリアンワイン通信講座」というサービスを開始しました。これはワインと共に、そのワインの背景を学ぶことができる冊子を提供するサービスです。現地スタッフが直接生産地に行き、生産現場や生産者の話、さらにはその地のワインの歴史などを取材し、冊子にします。背景を知ることで、何も知らずに飲むよりワインを美味しく感じると思うのです。今でこそ「体験価値」という言葉になって、重要視されてきていますが、当時はそこまで想定していたわけではなく、単純に美味しいワインを飲んで「美味しいね」だけで終わってしまうのはもったいないなと思ったのがきっかけですね。当時から大切にしているのは「ワインを飲んだ後に残る価値」を追求していることです。

体験価値の提供をはじめてからのビジネス展開や今後の展望についてお聞かせください。

「イタリアンワイン通信講座」がご好評をいただいたおかげで、コンテンツをつくって商品に付加価値を付けて提供するというスタイルが見えてきました。今ではイタリアチーズのインポーターの方と組んで「イタリアチーズ通信講座」をやったり、またドイツワインの専門家と「ドイツワイン通信講座」をやったりと、様々な商品でコンテンツを展開していっています。今後は、コンテンツづくりとはまた違ってくるのですが、ユーザーがインポーターを介さずに海外の生産者から商品を直接購入できる仕組み、産地直送のマーケットプレイスをつくりたいと考えています。

ワクスタの会員と、どんな協働ができそうでしょうか?

ワインに関する相談事ならもちろんですが、ECやウェブマーケティングなどのご相談にもお応えできます。また、商品の売り方の部分ですね。体験価値であったり付加価値の付け方のアドバイス、プロデューサー的な立ち位置から商品について意見することも可能です。

プロフィール

林 功二

ワイン、EC、サブスクリプションコマース

株式会社Vino Hayashi 代表取締役 / NPO法人stact 創業者

TE 林 功二さんの一問一答コーナー

学生時代に打ち込んでいたことは?
地元の名古屋にフットサルパークをつくったことです。就職活動の時期にちょうどフットサルが流行っていて、都市型フットサルパークってカッコいいなと思っていたんです。就職活動で様々な企業の事業説明会に行く中で、民間が空港や学校をつくったという事例を聞いたことがありました。これ、フットサルパークもいけるんじゃないかと思って、周囲の大人に企画を話していきました。するとどんどん話が広がっていって、最終的には名古屋市長にまで話が行き、実現することに。フットサルパークを運営するNPO法人もつくりました。私は就職する身だったのでNPOの代表にはなれなかったんですけど。現在でもその施設はあるので、なかなか良いアイデアだったなと思いますね。
心に刻んでいる言葉はなんですか?
座右の銘というわけではないですが、よく自分に言い聞かせている言葉は「人間万事塞翁が馬」です。良いことが起きても、それがずっと続くわけではないし、反対に悪いことが起きても、それもずっと続くわけではない。だから起きた出来事に対して一喜一憂することはほとんどないですね。この言葉のおかげで、ダメな時でもそこまで追い込まれませんし、良い時でも天狗になったり、調子に乗ることはないです。 
口癖はなんですか?
「幸せだ」ですね。ぼく、幸せの基準が低いんだと思うのですが、例えばごはんが美味しいだけで「幸せだ」って心から思えてしまうんですよね。しょっちゅう口にしてしまうせいか、妻からは「幸せの押し売り」と言われてしまいますので、なるべく言わないように封印しています。また、感動の基準も低いんだと思うんですけど、ドラマや映画など何でも良いんですけど、すぐ感動して泣いてしまうんですよ。妻からは気持ち悪がられているので、なるべく見えないように泣いています。
もし魔法があったらどんな力が欲しいですか?
そうですね、妻の機嫌が悪くなった時に、機嫌を直す魔法がほしいですね。

林 功二さんから
会員の皆さんへのメッセージ

ワークスタイリング SHARE/SOLO(サテライトオフィス)

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[※] 土日祝日営業拠点