導入事例
自律的な働き方が提案力を高める 明日の「働く」をデザインするイトーキの実践
- 1,000-4,999名
- 製造業(自動車・バイク・鉄道・航空機等製造・同部品製造など)
- 従量課金プラン(SHARE)
- 働き方改革
- すき間時間の有効活用
- 出張・外出先利用
- ハイブリットワーク
- 充実した設備・心地よい空間
- 高セキュリティ環境
寺西誠様

企業名
業種
オフィス家具の製造・販売やオフィス空間のデザイン、働き方のデザインなど
従業員数
3,957名(連結)
設立年
1890年12月 (*設立は1950年4月)
導入サービスと利用期間
「従量課金プラン(SHARE) 」 2018年8月〜
取材対象者
コーポレート統括部 総務部 部長 寺西誠様
企業紹介
日本のオフィス家具や事務機器分野のパイオニアとして知られる株式会社イトーキ様は、創業130年以上の歴史を持つ老舗企業です。「明日の『働く』を、デザインする。」をミッションステートメントに掲げ、家具の製造・販売にとどまらず、オフィス空間のデザインや働き方の提案まで幅広く手がけています。
社員の自律性を大切にする同社は、移動の合間時間を活用できる環境を整えるため、ワークスタイリングを導入しました。社員自らが自社オフィスにとどまらず、シェアオフィスも活用した生産性の高い働き方を実践することは、顧客への提案にいっそうの説得力を持たせています。
ワークスタイリング導入の背景や効果について、総務部の寺西誠部長にお話を伺いました。
■事業内容と働き方
明日の「働く」を、デザインする。
――まず御社が手がけている事業について教えてください。
当社はホッチキスやゼムクリップなどの事務機器、文具の輸入・販売を出発点に、オフィス家具の製造・販売へと事業を拡大してきました。現在は「明日の『働く』を、デザインする。」をミッションに掲げ、オフィス家具の製造・販売だけでなく、空間デザインや働き方そのものの提案、さらには働き方のソリューション提案まで幅広く手がけています。

――御社が働き方において大切にされていることは何ですか?
最も重んじているのは、社員の自律性です。働く場所も時間も自由に選べることを大原則とし、働き方に関する厳しいルールは設けていません。柔軟で自律的な働き方こそが生産性向上につながる、という仮説を当社なりに持っているからです。
もっとも、生産性を数値化することは容易ではありません。そのため、当社では毎年エンゲージメント調査を実施しています。社員自身が「生産性が高い」と実感できているかを尋ね、その回答を定量的に把握するようにしています。その結果、働く場所や時間を自律的に選択できる社員ほど、生産性の高さを実感しやすい傾向が見えてきました。/p>
この調査結果は、当社の経営層も非常に重視しています。エンゲージメントとは、社員が自律的に働けるか、そしてこの会社で「働きたい」と思えるかどうかにほかなりません。そのためには、会社として相応の環境を整え、風土を醸成していく必要があります。その重要なピースの一つが、ワークスタイリングです。
■導入の背景
拠点数と好立地が導入の決め手に
――それでは、ワークスタイリング導入の背景を教えてください。
2018年に、まず営業部門が試験的に導入しました。背景にあったのは、移動中の業務効率を高めたいというニーズです。
当時は移動の合間に安心して仕事ができるような場所がほとんどなく、営業先からわざわざ会社に戻って業務を行うケースが少なからずありました。オフィスに戻る必要がない場合には、自宅と営業先を直行直帰するよう推奨していました。とはいえ、当時はリモートワークが浸透しておらず、ITのツールも今ほど発達していません。会社として、直行直帰の合間に効率良く働ける環境を整える必要性を感じ、ワークスタイリングの導入を決めました。
――その際、ワークスタイリングを選ばれた決め手は何だったのでしょうか。
最大の決め手は、拠点数の多さと立地の良さです。ワークスタイリングは首都圏の主要駅をおさえてくれています。営業先を行き来する導線上に拠点があるため、使い勝手がとても良い。移動の合間時間を有効に活用したいという当社の狙いと、しっかりマッチしていました。2021年からはワークスタイリングの利用対象を広げ、現在は約800名が登録しています。

■活用シーンとサポート体制
営業もデザイナーも活用 外出先の業務を効率化
――特にどのような職種の方がワークスタイリングを利用されていますか?
営業だけでなく、開発部門も活用しています。例えば、プロダクトデザイナーやオフィス空間のデザイナーは、社内にいるだけではアイデアが膨らみません。素材メーカーや外部パートナーとの協業やディスカッションが大切です。
市場のニーズやトレンドに直接触れることもアイデアの源になります。そのため、本社だけでなくワークスタイリングも拠点として活用しながら、自社のオフィスを飛び出し、さまざまな場所へ出かけて情報を収集することがとても重要なんです。
――どのような点に利便性を感じていますか?
ワークスタイリングは多くの拠点を展開していながら、良い意味で設えや利用方法に統一感があります。Wi-Fiの設定や入退館の仕組み、予約方法が共通しているので、拠点が変わっても安心して利用できます。利用の流れもスムーズなので、社員が最小限の時間で効率的に業務を行う助けにもなっています。
ルールよりも自律性 意識的な選択で高まる生産性
――ワークスタイリングを利用する上で何かルールは設けられていますか?
厳密なルールは設けていません。ただし、社員には費用対効果を意識し、効率的に利用するよう呼びかけています。そのうえで、上手に使っている社員たちは、その時々で費用が伴うワークスタイリングをあえて利用するメリットや意義を見極めており、「働く場」を自ら選び取る意識につながっています。こうした主体的な選択こそが、生産性の向上に結びつくと考えています。
――利用するうえでのワークスタイリングのサポート体制はいかがでしょうか。
現在はグループ会社がワークスタイリングの社内窓口を担っていますが、ワークスタイリングの担当者とスムーズにやりとりできています。新たに入社した社員のアカウント登録も、所属部門から依頼があった翌日には完了するケースがほとんどで、助かっています。

■導入による成果・効果
自律的な働き方を実践し、顧客への提案に説得力を
――ワークスタイリングが御社にもたらした効果や意義がございましたら、ぜひお聞かせください。
冒頭で申し上げた通り、私たちは「明日の『働く』を、デザインする。」をミッションに掲げています。オフィス空間をデザインし、お客さまに提案することは、当社の利益に直結する大切な取り組みです。しかし、今や働く場は自社オフィスだけではありません。生産性を高めるには、自宅やワークスタイリングのような外部空間を最大限に活用することが必要です。
こうした「働き方」をお客さまに提案するには、私たち自身が自律的な働き方を実践していなければ、説得力は生まれません。その意味で、ワークスタイリングを活用することには大きな意味があります。社員が自ら働く場所を選び、効率的に業務を進められる多様な環境の一端を、ワークスタイリングが担ってくれているからです。
もちろん、お客さまによっては「社員の出社日を設けなければ会社が回らない」というケースもあります。当社のコンセプトを一方的に押しつけることはできません。それでも、私たちは「自律的な選択こそが生産性を高める」という軸を大切にしています。この軸があるからこそ、お客さまの事情に寄り添い、経営課題に真正面から向き合えるのだと考えています。
2025年4月からは、グループ会社の株式会社イトーキマーケットスペースもワークスタイリングの利用を始めました。当社にとどまらず、グループ全体で自律的な働き方を実践していくことが重要だと考えています。
■今後の展望
顧客に寄り添う提案力を支える、ワークスタイリング
――今後のビジョンをお聞かせください
私たちはオフィス1.0から2.0へ、そして3.0の実現に向けて取り組んでいます。オフィス1.0の世界は、オフィス家具の製造・販売。オフィス2.0の世界は、オフィス空間のデザインや働き方のコンサルティング。そしてオフィス3.0の世界は、IT活用やDX推進によるデータに基づいた働き方の提案。将来的にはオフィス3.0の実現を目指しています。
空間デザインや働き方について最適な提案をするには、お客さまのもとへ足を運び、経営課題やニーズを直接ヒアリングすることが欠かせません。その点、移動の合間時間を有効に活用できるワークスタイリングは、今後も私たちにとって欠かせない存在であり続けると考えています。


