1on1とは｜目的から効果的に実施する方法まで紹介

1on1とは？

1on1とは、上司と部下が1対1で行う面談のことをいいます。読み方は「ワン・オン・ワン」と読み、1on1ミーティングとも呼ばれています。具体的には、以下のような内容を上司と部下が対話します。

・業務に関しての課題や悩み事
・業務の進捗状況
・心身・健康面
・今後のキャリアの悩み
・プライベートな会話

1on1は、月に1回や週に1回など定期的に行われ、15分から30分程度の短い時間で行われる傾向にあります。

1on1と面談の違い

1on1と面談の違いは、目的や進め方などの違いです。1on1は、部下の成長促進やモチベーションの向上を目的に行われます。部下が抱える課題や悩みなどを気軽に相談でき、上司が部下の成長を促進するのが1on1の特徴です。

一方、面談は部下の評価や目標のすり合わせを目的に行われます。1on1のように気軽な雰囲気で行うのではなく、上司から部下への一方的なコミュニケーションが多い傾向にあるのが特徴です。

1on1は意味ない？実施の目的

1on1を行っても意味がないという声もありますが、目的を理解して行うことで、部下の成長を促進したり、組織力を強化できたりします。ここでは、1on1実施の目的について解説します。

部下の成長を促進する

1on1は、部下の成長を促進するのが目的の1つです。上司が部下の悩みや課題をフランクに聞く機会を作ることで、サポートしやすい環境が作れます。

近年では、在宅ワークによって働き方が多様化したことで、従業員間のコミュニケーションをとる機会が減っています。1on1を実施することで「悩みがあっても相談できない」「誰に聞けばよいかわからない」といったトラブルを防ぐ目的もあります。

さらに今後のキャリアの悩みや、体調面、家庭やプライベートの悩みなどを聞くことで、上司と部下が話しやすい関係となり、離職率の低下なども期待できるでしょう。

組織力の強化

1on1の実施には、組織力を強化する目的もあります。1on1によって部下が成長を実感すれば、組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。

1on1によって上司からのフィードバックやアドバイスを受けることで、自分の弱点を再認識し、どのように改善するべきか考えるきっかけにもなるでしょう。1on1で上司と部下が気軽にコミュニケーションをとり、組織全体が共通の目標に向かって働ける環境が作れます。

1on1の進め方

続いて、1on1の進め方について解説します。

1. 1on1導入の目的を明確にして共有する

1on1を導入する際は、1on1の目的を明確にして共有することが大切です。何を目的に行うのか、何を話すのかを理解していないと部下が不安を感じてしまうケースもあるでしょう。

「困ったことや悩みを気軽に話せるミーティング」「これからのキャリアの話」など、あらかじめ目的や内容を理解しておけば、上司・部下ともに主体的に取り組めるのも特徴です。

1on1の目的は、継続的に周知を行い、会社全体が理解できていることが大切です。

2. 1on1を実施する日程と場所を決める

次に、1on1を実施する日程と場所を決めます。上司の都合だけで決めず、双方のスケジュールが合う日程を設定しましょう。

実施場所は、オンラインで行う場合や、会議室、会社の休憩スペースなどさまざまな選択肢があります。上司から部下にヒアリングを行い、1on1で話す内容によって適切な雰囲気の場所を選ぶとよいでしょう。

3. 1on1を実施する

1on1する際は、上司が部下に話しやすい環境を作ってあげることがポイント。話しやすい環境を作るためには、しっかりと部下の話に耳を傾けることが大切です。

部下が話しているときは話を被せず、話し終わってから上司が口を開くようにしましょう。適度な相槌や、なるべく尊重する姿勢を取ることで、上司が自分に関心を持ってくれていると部下に感じてもらえます。

1on1での傾聴のポイントは、以下の例を参考にしてみてください。

・相手の目を見て、適切なタイミングで相槌を打つ
・話題や質問を投げかけて部下の話を聞く
・ポジティブな言葉で話す
・部下の考えをなるべく尊重する
・すぐに答えを出さない

4. 次回の日程を決める

1on1ミーティングが終わる前に、次回の日程を決めましょう。1on1の目的を達成させるためには、時間があれば週に1回、少なくても月に1回程度のペースがおすすめです。

継続して1on1を行うことにより、上司と部下の信頼関係の構築に繋がります。部下が上司に相談しやすい環境を整えることで、社員のモチベーションがアップし、企業の組織力も高まるでしょう。

ただし、1ヶ月先の日程を決めるとなると、なかなか業務状況が把握できないという場合も多いです。そのような場合には、次回はいつ頃と目安を決めて、上司が1～2週間前には日程を調整しましょう。

1on1を効果的に行う方法

1on1を効果的に行うには、コツがあります。部下の成長促進や組織の強化などの目的を達成するためには、以下の方法を意識して行いましょう。

上司がコミュニケーションスキルを身に着ける

1on1を行う際、上司がコミュニケーションスキルを身に着けておくと円滑に進みます。部下が話しやすい環境を作るには、コーチングとフィードバックを意識することが大切です。

コーチングとは、質問をしながら話を聞くことです。上司の質問に対し、部下が自主的に話すことを目的としているため、基本は傾聴の姿勢で適度に問いかけを行うのがよいでしょう。

フィードバックは、行動や結果を客観的に伝え、改善方法を提示してあげる方法です。上司と部下の考え方の違いを埋めるためには、ときには部下に厳しい指摘をしなければいけません。

上司が適切なコーチング、フィードバックを行うためには、これらの研修を行う方法も1つの手段です。質のよい1on1ミーティングを行い、目的が達成できるものにしていきましょう。

部下一人ひとりのタイプにあわせたやり方にする

1on1は、部下一人ひとりにタイプに合わせたアプローチを行うことで、より意味のあるミーティングが可能になります。部下にもさまざまな性格や価値観、考え方を持った人がいるため、同じ方法で対話しても成果が出ない場合があります。

例えば、SL理論を採用し、部下の能力や意欲などに応じて、リーダーシップの型を変えるといった方法があります。SL理論には、教示型・説得型・参加型・委託型の4つのタイプがあります。

教示型は「何をしていいのか分からない」「ミスが怖い」といった部下に対して有効なリーダーシップです。この場合は、部下が仕事をこなせるようになるまで、徹底的に進捗管理を行い、悩みや課題を積極的に聞くことが大切になります。

このように、タイプに合ったやり方があるため、日常の様子や業務などからどのような人間かしっかり観察しておきましょう。

話すことを準備しておく

1on1の時間をより有効な時間とするには、話すことを事前に準備するのもおすすめです。部下の悩みやプロジェクトの進捗状況だけでなく、部下と上司の距離が縮まるようなネタを用意しておくとよりよい時間となるでしょう。

【話す内容例】
・業務の進捗状況
・業務での悩み
・働き方や要望
・今後チャレンジしたいこと
・人間関係や健康状況
・仕事でのやりがい
・週末の過ごし方
・おすすめのお店
・趣味や家族の話

1on1にぴったりなスペースを完備したレンタルオフィス『ワークスタイリング』

三井不動産が展開する「ワークスタイリング」は、快適なオープンスペースや多様な会議室、個室を備えたオフィスビルで、法人向けレンタルオフィスや法人向けた拠点型シェアオフィスを提供しています。

会議室は従量課金制でご利用いただけて、1on1を実施するスペースとして適しています。さまざまなタイプの会議室がありますが、カーテンなどで会議室の内側が見えないように目隠しすることもできるので、プライバシーをしっかり守れます。

社員一人ひとりにあわせて効果的な1on1をしよう

1on1をより有効にするためには、実施の目的を理解したり、社員一人ひとりに合わせたやり方をしたり工夫が必要です。また、実施する日程や時間、場所なども1on1で話す内容に合わせて変えてみるのもおすすめです。

自宅でオンライン、会議室、休憩室、レンタルオフィスといったさまざまな選択肢があるため、ぜひ適切な場所を利用して効果的な1on1を行いましょう