ニューノーマルとは?
新しい働き方と背景、今後の課題について解説

新型コロナウイルスの流行を筆頭に、数年で人々の生活は大きく変わりました。テレワークの推進、時差出勤の推奨など、感染拡大を防ぐための行動変容はビジネスシーンにも影響を及ぼしています。そんななかで注目を集める「ニューノーマル」というキーワードについて説明します。

オフィスイメージ

ニューノーマルとは?

ニューノーマルとは

そもそも「ニューノーマル」とはどういう意味の言葉なのでしょうか。現在の「ニューノーマル」について正しく知るためには、少し過去に遡る必要があります。

1.1 これまでの「ニューノーマル」

「ニューノーマル」はもともとは生活様式の変化を指した言葉ではなく、ビジネスや経済面における大きな変革を表す言葉でした。
2003年のITバブル後に激変した米国経済を表現する言葉として、投資家のロジャー・マクナミー氏が使い始めたとされています。その後、2008年のリーマンショックを契機に再び注目が集まるようになりました。

1.2 コロナ禍における「ニューノーマル」

2020年以降の「ニューノーマル」は、主に感染症対策を中心とした行動変化のことを指しています。
「身体的距離の確保」「マスクの着用」「手洗いの奨励」など、一人ひとりの行動に強い影響を与えるものになっているのが特徴でした。

また、ビジネスシーンにおいても行動や空間が強く意識されるようになりました。テレワークの導入によってオフィスの人口密度をできるだけ減らしたり、顧客との商談や自社での会議がオンラインにておこなわれるようになったりと、仕事環境そのものが変化を遂げつつあります。

1.3 2023年の状況と今後について

新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令にともない、多くの企業が「在宅勤務」という選択肢を取り入れるようになりました。

感染症対策の効果はもちろん、ビジネスパーソンにとって大きな負担であった通勤部分の緩和は非常に好評であり、コロナ禍が収まりつつある2023年現在でも在宅勤務を望むビジネスパーソンは増加しています。働き方改革の推進においても、フレキシブルな働き方を実現できる在宅勤務は相性が良く、在宅勤務を受け入れられるかどうかが企業の新たなアピールポイントになっています。

一方、在宅勤務をどのように取り入れるかは企業によって意見が分かれるところです。例えばGoogleでは完全なリモートワークを廃止し、「週3日のオフィスへの出勤」を評価の一部に組み込むとしています。
また、日本国内においては、楽天グループが出社日を週4日に増やしたり、ホンダが本社を中心に原則オフィスワークに切り替えたりと、コロナ禍以前におこなわれていたオフィスでの業務に回帰する流れも起きています。

リモートワークには通勤時間の短縮や個々に合った働き方ができるなどの大きなメリットがある反面、業種によっては非対面ゆえの不都合がある場合も多くあります。必ずしもリモートワークだけが正解とはいえない状況です。

そのため、今後は職場勤務と在宅勤務の長所を両立させる「一週間の○日は家、残りの日数はオフィスで働く」というハイブリッドワークがよりいっそう注目されると予想されています。
ハイブリッドワークについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

「ハイブリッドワークとは?メリットとデメリット、導入時の課題を解説」を読む ▶︎

ニューノーマル時代の働き方と変化

ニューノーマル時代の働き方イメージ

コロナ禍にともない、働き方も大きく変化を遂げました。オンラインが中心となり、デジタル技術を用いた企業活動そのものの変化、さらにはそれらに合わせた評価制度やオフィス自体のあり方の見直しなどの変化が多数存在します。
ここでは、そんな「ニューノーマル」時代の働き方の変化について説明します。

2.1 テレワークの普及

ビジネスパーソンを取り巻く大きな変化として挙げられるのは、やはりテレワークの普及ではないでしょうか。
従来はオフィスに通勤し一ヵ所に集まって仕事をおこなうことがスタンダードであったところから、オンライン環境を駆使することでどこでも仕事をすることが可能となりました。
これにより通勤の負担がなくなり、ビジネスパーソンの労働環境は大きく改善しました。

2.2 オンライン会議・商談の増加

オンラインによる会議や商談のケースも増加しました。移動コストの削減に加え、録音・録画が容易であることから議事録をとる手間が省けたり、後で確認ができるため、業務効率も上がります。時間の有効活用ができるためより多くの顧客と接点を作れたりするなど、メリットが多数存在します。

2.3 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

コロナ禍による「対面忌避」の傾向は、かねてより叫ばれていたDXの推進をさらに後押ししました。
デジタル技術を導入することで、従来は属人的であった分野をいかに無人化、効率化するかという取り組みには多くの企業が挑んでおり、さまざまな業種にDXの波が広がっています。

2.4 評価制度の改訂・見直し

「ニューノーマル」に合わせた働き方の変化は、業務の効率化やビジネスパーソンのモチベーションアップなど、たくさんのメリットを生み出しました。しかし、従来の評価制度で想定されていない働き方であることには注意が必要です。

リモートワークによって時間と場所を選ばず働けるようになったことで、上司が部下の業務態度を知ることは困難になりました。代わりに成果主義を推し進めるにしても、後輩の指導や周囲への好影響など「チームワーク面での加点」を取りこぼすおそれがあり、企業は「ニューノーマル」時代に合った評価制度の見直しを求められています。

2.5 オフィスのあり方の見直し

見直しが求められるのは評価制度や働き方だけではありません。ビジネス活動の拠点となるオフィスのあり方についても考え直す必要があります。
オンライン打ち合わせのための区切られたスペースを用意したり、テレワークの普及によるコミュニケーション不足を解消するための工夫も必要になってくるでしょう。

ニューノーマル時代の課題と注意点

ニューノーマル時代の課題

ここまで説明してきたように、ニューノーマル時代の到来はビジネスシーンに大きな変化をもたらしました。場所や時間に囚われない働き方ができるようになるなどのメリットがある一方、変化によって生まれた課題や注意点もあります。

3.1 変化への対応が求められる

ニューノーマル時代では、次世代AIサービスの登場により、人と人を介した従来型のコミュニケーションはさらにデジタル技術で代替されると予想されます。
さまざまな新技術が投入され、絶えずアップデートを続ける昨今において、最新情報の収集はビジネスパーソンの必須項目となっています。
感度高くアンテナを張っておくことはもちろん、新技術のメリットとデメリットを見極め、自社にとって有益ならば臆せず取り入れるような柔軟さも要求されます。

3.2 コミュニケーションの質や頻度が落ちやすい

リモートワークを始め、オンラインを通じてビジネスができることは立地や時間的制約が少なくなるというメリットがあります。しかし、その一方でこぼれおちてしまう情報も存在します。

これまで何気なくおこなっていた「ちょっとした雑談」が発生しづらいという問題点もあります。

従来のオフィス型ビジネスなら食事や休憩のタイミングなどで投げかけることのできた雑談や相談も、オンラインでは目的のみが遂行されがちで、投げる側も受ける側も身構えた状態でコミュニケーションを取ることになります。そのため、やり取りの頻度自体が低下していくことが予想されます。

3.3 セキュリティリスクが高まりやすい

オンラインでのビジネスにおいて忘れてはならないのが、セキュリティの問題です。データ管理や会議など、オンラインでのあらゆる行動ややり取りは常に情報漏洩のリスクにさらされています。

現在のオフィスの通信環境やセキュリティを見直すことはもちろん、場合によっては「ワークスタイリングFLEX」のようにビジネスに最適な通信環境と高いセキュリティが完備されたオフィスサービスを利用するのも有効な手段です。

3.4 業務に適した環境を整える必要がある

前述のとおり、オンラインコミュニケーションが増えたことによってビジネスの形態や注意すべき点は大きく変化してきました。そのため、企業は変化に合わせた最適なビジネス環境を整える必要があります。

「ワークスタイリングFLEX」なら、オンラインでの会議や商談がスムーズにできる通信環境やセキュリティに加え、ニーズに合わせた会議室や完全個室のワークスペースがあり、さまざまなビジネスシーンに合った快適な環境が揃っています。

ニューノーマル時代に求められるスキル

「ニューノーマル」時代の変化にともない、ビジネスパーソンに求められるスキルも大きく変わってきています。数あるなかでも第一に求められるスキルはやはり、自発的なコミュニケーションスキルではないでしょうか。
オンライン中心のやり取りになったことでちょっとした雑談をおこなうことも困難になったなか、円滑な人間関係を築くためには、能動的なコミュニケーションを投げかけていく必要があります。丁寧かつ好感を与えられるコミュニケーションを意識することが求められます。

また、リモートワークを導入することで場所と時間の制約から解放された一方で、オフィスという環境でビジネスができなくなったことによるモチベーション維持の問題もあります。そのため、自由な環境でも自身を管理するセルフマネジメント力も、昨今のビジネスパーソンに求められる素養です。タスク管理ツールを活用するなど、やる気の上下に影響されないパフォーマンスを発揮できる環境の構築が求められます。

ニューノーマル時代に適した「オフィス」の活用法

オープンスペース

「時代の変化に合わせたオフィスの活用法はいくつかありますが、注目を浴びているものの一つが「ハイブリッドワーク」です。
従来の固定オフィスの場合は社員一人ひとりに個別の席が与えられ、基本的にそこで仕事をおこなうのが一般的でしたが、各地に拠点があるレンタルオフィスサービスを利用すれば、ワークスタイルやその日の業務に合わせた柔軟な働き方をすることが可能です。それによって生まれる機動力と柔軟性はビジネスのスピードにつながる可能性があります。
しかし、フリーアドレス化は業種によっては導入が難しい施策であることも事実です。また、社員の流動性の高さゆえ、うまく管理していないと必要な際に連絡がつきにくくなるなどのリスクもあります。さらに、拠点となるオフィスの立地や利便性にもビジネス効率が大きく左右されます。

三井不動産の提供する「ワークスタイリングFLEX」なら、都心部に複数ある拠点のどれもが好立地に存在し、高いアクセス性を誇っています。加えて受付スタッフによる職場の環境整備も常時おこなわれており、常に最適な状態で気持ちよくビジネスに取り組めます。

従来型のオフィスに依存しない働き方が普及することで、今後オフィスはより快適かつ意義ある存在であることが求められるでしょう。自社においてどのような在り方のオフィスが望ましいのか、社員は何を求めているのか、今一度検討していく必要があります。

まとめ

「ニューノーマル」時代の到来によって働き方は劇的な変化を遂げました。オンラインやデジタル技術の活用によるビジネスの柔軟性獲得、市場拡大などの絶大なメリットがある反面、コミュニケーションの質や頻度の低下など、リスクも必ず存在します。

しかし、絶えず状況が変化するなかにあっても、最新の情報と商習慣の変化をしっかりととらえて対応する心構えがあれば、時代の変化をチャンスに変えてビジネスを拡大することが可能です。

働き方や顧客ニーズの変化にいち早く対応するために必要なオフィス機能を、「ワークスタイリングFLEX」は備えています。都心を中心とした好立地かつハイクオリティな空間に最新設備を完備しているため、取引先へのアピールはもちろん、社員のモチベーションアップにも寄与します。また、オフィスの住所を法人登記してのご利用も可能ですので、お客様のニーズに合わせてご利用いただけます。

レンタルオフィスの契約をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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