変化するオフィス出社率、今後オフィスはどうあるべき?求められる役割とポイント

働き方改革や新型コロナウイルスの影響などを受け、近年オフィス出社率は大きく変化しています。一方、コロナ禍では出社を大きく制限する企業が多かったものの、アフターコロナで出社率を再度高める動きも見られます。

この記事では、働き方改革からアフターコロナにかけての情勢や働き方・出社率の変化を解説し、アフターコロナ時代においてオフィスに求められる役割とポイントを考えていきます。

変化するオフィス出社率、今後オフィスはどうあるべき?

働き方を取り巻く、近年の情勢と変化

働き方を取り巻く、近年の情勢と変化

まずは、働き方を取り巻く情勢や変化の内容について、3つのフェーズに分けて解説しましょう。同時にオフィス出社率の変化についても確認していきます。

1.1 働き方改革の法整備と推進

近年の働き方に大きな変化をもたらしたのが、2019年4月から順次施行された「働き方改革関連法」です。時間外労働の上限規制や年次有給休暇取得の義務化などが定められ、政府主導の働き方改革が本格化しました。

しかし、法整備によって「働き方改革が必要」という認識は広がったものの、働き方の多様化はすぐには進まなかったのが実情です。
2019年におこなわれた総務省の「令和元年 通信利用動向調査」によると、テレワーク導入企業の割合は20.1%、今後導入予定とした企業を含めても3割弱にとどまっていました。導入企業であっても、実際にテレワークを利用する従業員の割合は「5%未満」と回答した企業が半数近くにのぼりました。制度は整備したものの、実際の利用には結びついていなかったことがわかります。

以下の記事では、働き方改革についてより詳しく解説しています。併せてご覧ください。
「【2023年】働き方改革とは?アフターコロナの働き方と取り組みの背景」を読む ▶︎

1.2 新型コロナウイルス感染症の流行

働き方が一気に多様化したきっかけとなったのが、新型コロナウイルスの感染拡大でした。2020年4月から5月にかけての緊急事態宣言発令時、政府は感染拡大防止を目的に出勤者数の7割減を企業へ要請したため、半ば強制的にテレワークの導入が進むことになりました。

これにともない、「本社オフィスに出社するのが当たり前」という従来の働き方は大きく変化しました。緊急事態宣言解除後もテレワークを維持する企業は多く、テレワークとオフィスワークを併用するハイブリッドワークをおこなうワーカーも増えました。オフィス出社率は大きく減少し、ニッセイ基礎研究所が発表した「コロナ禍におけるオフィス出社動向」によると、1回目の緊急事態宣言発令時には東京で36.1%、大阪や名古屋でも約4割まで落ち込みました。

一方コロナ禍は、これまで育児や介護で忙しく出社が難しかった人もオンラインで支障なく働けるようになるなどプラスの変化ももたらしました。また、コワーキングスペースやシェアオフィスの需要も高まりました。

1.3 5類移行と「アフターコロナ」への転換

2023年5月、新型コロナウイルス感染症が感染症法における「第5類」に移行され、本格的な「アフターコロナ」の時代に突入しました。しかし、アフターコロナを迎えてもコロナ禍でもたらされた変化の一部は定着していくと考えられています。

通信利用動向調査」の令和4年(2022年)の調査によれば、テレワーク導入済みの企業の割合は51.7%となり、2019年の2倍以上に増加。業種別に見ると、情報通信業で97.6%、金融・保険業で80%以上となっています。業種によって導入割合や増減の傾向に違いはあるものの、コロナ前に比べるとかなり普及が進んでいます。

ニッセイ基礎研究所の調査では、5類移行直前の2023年4月最終週における出社率も調査されています。それによると、東京の出社率は76.2%、大阪や名古屋など全国の主要オフィスエリアでも80〜85%程度となっており、まだ完全には割合が回復していないことが読み取れます。つまり、感染が収束してもオフィス以外の場所で働ける選択肢を残す企業も多いと考えられます。

人口減少による労働力不足が予測されるなか、今後は多様な働き方に対応できる企業により人材が集まるようになるかもしれません。アフターコロナの時代は、従来の働く場所に対する考え方を転換していくべき時代ともいえるでしょう。

「ウィズコロナ」がオフィスに与えた影響

コロナ禍を通してワーカーの働き方や働く場所に対する考え方は大きく変化しています。かつては通うのが当たり前だったオフィスも、テレワークの普及によってその役割が変化しつつあります。その具体的な例を解説します。

2.1 出社以外の選択肢の増加

出社以外の選択肢の増加

コロナ禍前後での重要な変化に、出社以外の選択肢が増えたことが挙げられます。
コロナ禍で半ば強制的に浸透したテレワークや情報技術の進歩により、自宅や外出先でも支障なく仕事ができるようになりました。自宅での仕事をメインとしつつ、必要なときだけ出社するという働き方も当たり前になっています。

2.2 テレワークが抱える課題点の表出

2020年11月、コクヨファニチャーがテレワーカーを対象に実施したWEBアンケート調査によると、「資料作成等の個人作業」「チーム業務の個人作業」といった一人で黙々と進める業務や「進捗状況の確認」などはテレワークでおこなったほうがよい、とする回答が過半数を占めました。

一方、オフィスでおこなったほうがよいとする回答が多かったのは、「顧客ヒアリング」「社外交流」「社内イベント」といったコミュニケーションをともなう業務や、学びにつながる「上司同僚からのスキル教示」、議論によって膨らむ「アイデア出し」などでした。
参照:コクヨファニチャー「テレワーカーからみたオフィスの価値

オンラインでは複数の人と同時に交流するのが難しいうえ、表情や仕草が見えづらいため、発言の思いや意図がスムーズに考えが伝わらないこともあります。働き方の変化は、テレワークにおけるコミュニケーション上の課題点も浮き彫りにしたといえます。

2.3 オフィスに求められる価値の変化

多くのビジネスシーンにおいて、以前は「仕事をする=オフィスに出社する」ことであり、働き方としてそれ以外の選択肢はほぼありませんでした。しかし、テレワークの普及によって、わざわざオフィスに行かなくても仕事ができるようになりました。

今、オフィスには単なる働く場所ではなく、テレワークでは難しい社内外の幅広い人と交流する場所、他人と意見を交わすことによる気付きや発見をえる場所、上司や同僚などからの学びを実現し業務をスムーズに進められる場所としての機能が求められています。

今後、オフィスはどうあるべき?「行きたくなるオフィス」にするために重視すべきポイント

「行きたくなるオフィス」にするために重視すべきポイントト

では、今後のオフィスはどのような空間であるべきなのでしょうか。重視すべき4つのポイントを解説します。

3.1 コミュニケーションを重視した空間

オフィスの価値を高め「行きたくなる場所」にするためには、コミュニケーションを重視した空間づくりが大切です。

対面でのコミュニケーションから得られる価値は大きく、直接話したほうがスムーズに業務を進められるケースも多いでしょう。
活発なコミュニケーションを生むには、フリーアドレスの導入、オープンなミーティングエリアや立ち話のできるエリアの設置、休憩しながら社員同士で話ができるリフレッシュスペースやカフェコーナーの設置などが効果的です。

テレワークは一人で黙々と仕事をする場面が多くなり、人とのつながりやコミュニケーションが不足しやすい側面も。オフィスだからこそのコミュニケーションの場を提供すれば、社員に「出社したい」と思ってもらうことができるでしょう。

3.2 用途やシーンで使い分けられる機能性

オフィス以外の場所で仕事をすることが一般的になった今だからこそ、「働く場所」として最も快適である必要があります。そして働きやすいオフィスに必要なのは、用途やシーンによって働く場所やレイアウトを使い分けられる機能性です。このようにシーンによって働く場所を選択できるオフィス形態を「ABW」といい、日本でも注目を集めています。

例えば「一人で集中したいときは個室ブース」、「ラフなアイデア出しをしたければ立ち話スペースやフリースペース」など、働く場所の選択肢を増やすことで、働きやすさや満足度の向上につなげられます。
加えて、少人数の打ち合わせから大人数の会議にまで対応できるミーティングルームや、部署横断的なプロジェクトでも使いやすいワークスペースなどを導入すれば、オフィスはより多くの社員にとって「一番働きやすい場所」になるでしょう。

ABWについては以下の記事でも解説しています。併せてご覧ください。
「ABWとは?意味やフリーアドレスとの違い、メリットやオフィス活用方法を解説」を読む ▶︎

3.3 さまざまな変化に対応できる柔軟性

社会や経済の変化によって、今後オフィスのあり方がさらにどう変化するかは不明瞭です。また、事業の再編や新規事業の立ち上げ、企業の運営方針変更など、ニーズの変化に合わせて内部にもさまざまな変化が起こることでしょう。

そのため、これからのオフィスには「変化に柔軟に対応できること」が求められます。大きな変化を経た今だからこそ、今後起きうる変革にも備えていく必要があります。

3.4 往訪など対面での業務における利便性

オンラインが主流の時代だからこそ、深い関係性の構築には即応性や対面でのコミュニケーションが欠かせません。しかし、本社オフィスだけでは利便性に欠ける場合もあるでしょう。
そこで検討したいのが「タッチダウンオフィス」の導入です。タッチダウンオフィスとは、出張先や外出先などで一時的に仕事や作業ができるスペースを指します。
会議や往訪が多い企業や取引先の近くにタッチダウンオフィスを設ければコミュニケーションの密度を高められますし、逐一本社オフィスに戻ることなく効率的に仕事をすることが可能となります。

タッチダウンオフィスについては以下の記事でも解説しています。併せてご覧ください。
「タッチダウンオフィスとは?メリットと成功事例、検討ポイントを解説」を読む ▶︎

アフターコロナに「レンタルオフィス」をおすすめする理由

ワークスタイリング 東京ミッドタウン日比谷

ここまで、今後のオフィスで重視すべきポイントをご紹介しました。
しかし自社オフィスですべてを実現するには、大きな手間やコストがかかります。企業の成長のためとはいえ、検討・実現が難しいポイントもあるでしょう。そこでおすすめしたいのが、「レンタルオフィス」を活用したオフィスの見直しです。

レンタルオフィスとは、専有スペースを限られた期間、限られた人数で借りることができるサービスのことです。ビジネスに必要な家具・備品・設備が整っており、一から準備する手間がかかりません。また、出社率や事業環境の変化などに応じてオフィスの場所や広さを柔軟に見直せるため、不確実性の高い時代でも変化によるリスクを軽減できます。

「ワークスタイリングFLEX」は、1ヵ月・1席から利用できるサービスオフィスです。
登記も可能なため、本社オフィスとしての活用も可能です。また共用スペースを上手に活用すれば、社員間のコミュニケーション向上も期待できます。さらに全国約150拠点に展開するサテライトオフィス「ワークスタイリングSHARE/SOLO」も利用でき、対面での業務における利便性アップにもつながります。

他にも、イベントやセミナーを通じてほかの利用者や入居企業と交流できるような機会も豊富に設けています。イベントでの交流からビジネスチャンスにつながった事例もあり、社内外の枠にとらわれない活発なコミュニケーションが期待できます。

「ワークスタイリングFLEX」の施設概要はこちらからご確認ください。
「ワークスタイリングFLEX」の施設・設備について詳しく見る ▶︎

まとめ

働き方改革の推進やコロナ禍を経て、いよいよ「アフターコロナ」の時代に突入しました。しかし、コロナ禍に低下した出社率は、5類移行によって再び上昇してはいるものの、コロナ前の水準までは回復していません。
出社以外の選択肢が生まれたことで、オフィスに求められる価値は変化しています。これからのオフィスには、対面コミュニケーションやリアルな学び・発見の場といったテレワークでは得られない価値を提供することが求められます。

社員が働きやすく、将来の変化にも柔軟に対応できるオフィスを実現したいなら、レンタルオフィスの活用がおすすめです。都心部の主要オフィスエリアを中心に展開する「ワークスタイリングFLEX」を活用し、さらなる企業価値向上を目指してみてはいかがでしょうか。

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