導入事例

岡崎市役所、ワークスタイリングで広げる企業連携――省庁訪問時の拠点としても活用

  • 1,000-4,999名
  • 士業事務所・監査法人・各種団体・官公庁
  • 専有スペースプラン(FLEX)
  • 企業間交流
  • 支社・支店
  • コスト削減
  • 拡張性・柔軟性
  • 高セキュリティ環境
  • 出張・外出先利用
  • 会議スペース確保
  • すき間時間の有効活用

清水芳正様(左)と山﨑祐貴様(右)

岡崎市

企業名

業種

地方自治体

従業員数

約4,000名(医療・保育職含む正規職員数)

市制施行

1916年7月

導入サービスと利用期間

専有スペースプラン(FLEX) 2022年4月~2026年3月/従量課金プラン(SHARE) 2026年4月~

取材対象者

総合政策部 企画課 主事 清水芳正様、企画課 山﨑祐貴様

企業紹介

岡崎市は愛知県のほぼ中央、西三河地域にある人口約38万人の中核市です。徳川家康公誕生の地として知られ、岡崎城の城下町として発展してきました。自動車関連をはじめとする製造業が盛んな地域です。

岡崎市役所様は省庁や民間企業との連携強化を目的に、東京の拠点としてワークスタイリングを導入しました。省庁訪問時の準備や振り返りの場として約40部署の職員が活用しているほか、地元では出会えない企業との接点づくりにつなげています。実際にワークスタイリングの会員企業との連携によって財政負担を削減するなど、具体的な成果も生まれました。

ワークスタイリング導入の背景や活用方法、そして具体的な成果について、総合政策部企画課の清水芳正様と山﨑祐貴様にお話を伺いました。

■導入の経緯

レンタルオフィスを東京の拠点に

――まずは、レンタルオフィス導入を検討された背景を教えてください。

清水様:背景として、首都圏に拠点を持つ必要性がありました。

国からの補助金は、さまざまな政策を推進するうえで重要です。その獲得には、省庁と連絡を密に取ることが欠かせません。

また、民間企業との連携を進めるうえでも、首都圏に拠点があることの意義は大きいと感じています。愛知県内にも多くの企業が支社を置いていますが、実務上は首都圏の本社とやりとりするケースが非常に多いです。

岡崎市はかつて東京事務所を設け、職員を常駐させていましたが、平成15年4月1日から中核市に移行することが決まり、中核市市長会を通じての情報入手が可能となったことから平成14年に東京事務所を廃止しました。その後、コロナ禍でテレワークが普及したこともあり、常駐せずともWEB会議にて調整や情報収集をすることが可能となりました。しかしながら、本当に必要な情報や待っていては取りこぼしてしまうような情報を取りに行くとともに、シティプロモーションやふるさと納税等、オフラインで行うことでより効果が上がることは東京で行えるようにするなど、首都圏での活動拠点を再整備することが求められるようになりました。

そこで、レンタルオフィスを検討しました。理由は主に2点あります。

1点目は、初期費用を抑えられることです。一般的に普通のオフィスを借りる場合、机や椅子といった備品や複合機を準備しなければなりませんが、レンタルオフィスであればその必要はありません。

2点目は、柔軟性の高さです。実際に利用していく中で課題や新たなニーズが生じた場合でも、別の拠点へ移行しやすい。いわば“ヤドカリ”のように、その時々に応じて最適な場所を選べる点は、大きな魅力でした。


■検討プロセス

ワークスタイリングを選んだ四つの決め手

――ワークスタイリングを知ったきっかけを教えてください。

清水様:インターネット検索でした。ワークスタイリングも含めて10社ほど比較、検討しました。というのも、当時はレンタルオフィスを利用する自治体の先行事例が少なかったんです。中核市は岡崎市を含めて全国に62市ありますが、当時、東京等本庁舎から離れた場所に何らかの拠点を構えている市は28市。その中でレンタルオフィスを利用していたのは2市だけでした。

そのため、まずは各社に問い合わせを行い、実際に見学して使い勝手を確認しました。また、他の中核市にも活用状況のヒアリングを行いました。そうしたプロセスを経て、立地や交流のしやすさといった観点を総合的に判断し、ワークスタイリングに決めました。

――ワークスタイリングに決めるうえで、どんなことを重視されましたか?

清水様:重視したことは、大きく分けて4点あります。

1点目は、岡崎市の職員であれば誰でも活用できることです。補助金の獲得などに向けて省庁を訪れる必要があるのは、特定の部署に限りません。道路や河川など、さまざまな分野の担当者が東京へ出張するため、特定の部門に限らない形で利用できる点を重視しました。

2点目は、高いセキュリティ水準です。行政は情報リテラシーに関して厳しいルールが設定されていますので、その水準をクリアできるレンタルオフィスなのか、という点はとても重視しておりました。

3点目は、東京以外の拠点も利用できることです。職員は首都圏に限らず、全国へ出張する機会があります。そのため、多くの拠点を柔軟に使えるサービスを求めていました。

そして4点目が、最も重視していた点です。それは、岡崎市という地方都市にいるだけでは出会えない企業や人と交流できる機会を得られることでした。今の時代、行政もただ待つのではなく、自ら人脈やつながりをつかみ取りに行くことが求められています。そうした出会いや交流が生まれる「場」を求めていました。


会議室が利用できることも重視

――設備面の要件はありましたか?

清水様:会議室を利用できるかどうかは、検討材料の一つでした。東京でレンタル会議室を探そうとすると、時間もコストもかかります。ゼロの状態から会議室を探すよりもワークスタイリングの中で利用可能な会議室を探した方がずっと効率的です。

ちなみに、昔は名古屋のワークスタイリングには30人ほどが入れるカンファレンスルームがあり、勉強会や会議でよく利用していました。

■意思決定プロセス

「一年一年が勝負」。自治体ならではの導入プロセス

――ワークスタイリング契約までの内部手続きについて、お聞かせください。

清水様:まずは我々総合政策部から財政部局に対して、ワークスタイリング導入のメリットや必要性を説明しました。その後、2人の副市長、そして市長へと順に説明を進めていきました。あわせて、市議会の理解が不可欠です。まずは正副議長に事前に説明したうえで、必要な予算が盛り込まれた当初予算案について議会で議論をいただき、可決されて初めて契約が可能となります。

――レンタルオフィスの検討段階では、利用期間の目安はありましたか?

清水様:担当者としては、おおむね3年間を目安に使ったうえで、契約内容を見直すのか、あるいは拠点そのものを変更するのかを検討しようと考えていました。とはいえ、行政は単年度で予算を編成するため、毎年、議会や財政部局の理解を得る必要があります。つまり、一年一年が勝負です。実際、市議会でもワークスタイリング導入による成果についてご質問をいただく機会があり、その都度、メリットや必要性を丁寧に説明するように心がけています。

■活用シーン

省庁訪問後、ワークスタイリングですぐに振り返り

――2026年3月まで、八重洲や霞が関のワークスタイリングで専用スペースプラン(FLEX)をご利用いただきました。現在は従量課金プラン(SHARE)をご契約いただいています。職員の方々は、どう活用されていますか?

清水様:主な用途は、省庁や国会議員会館を訪れる際の拠点としての活用です。そのため、官庁街である霞が関や、東京駅に近い八重洲のワークスタイリングを利用する機会が多いですね。

省庁や議員会館を訪れる目的は、大きく分けて2点あります。

1点目は、陳情です。場合によっては、市長自らが上京することもあります。その際、市長や事務方が用いる説明資料の最終調整や準備をワークスタイリングでしています。また、陳情は近隣自治体と共同で行うことも少なくありません。その場合は、他自治体の職員を招き、打ち合わせや振り返りの場としても活用しています。

2点目は、補助金の獲得に向けた対応です。申請書類の提出後も審査や国とのディスカッションがあり、その都度省庁を訪れる必要があります。その際、訪問前の準備や訪問後の振り返りの場として、ワークスタイリングを利用しています。

特に省庁訪問後、愛知県をはじめ他自治体の職員とすぐに振り返りができる点は、大きなメリットだと感じています。愛知県は東京事務所を置いていますが、一定の人数でディスカッションできるスペースはどうしても限られます。その点、岡崎市がワークスタイリングの場を提供することで、スピーディーに振り返りや意思決定を行うことができています。


約40部署がワークスタイリングを活用

――どれくらいの部署がワークスタイリングを利用されていますか?

清水様:岡崎市役所には約100の部署がありますが、そのうち40ほどの部署が利用しています。特に道路や河川といった開発部局や、我々が所属する総合政策部のように政策立案を担う部署は上京の機会が多いため、利用頻度も高いですね。

――首都圏以外の場所へ出張する機会も多いのですね。

山﨑様:はい。関西方面へ行く機会もありますし、連携協定を結んでいる自治体があるため、九州出張もあります。また、先進的な取り組みを行っている全国の自治体へ視察に赴く機会も少なくありません。そうした際も、ワークスタイリングは主要ターミナル駅の近くに拠点を展開しているため、立ち寄りやすく非常に便利です。

――職員向けの利用ルールやおすすめの活用方法について、市役所内でどのように案内していますか?

清水様:職員向けのウェブ掲示板で、ワークスタイリングの活用方法を複数回発信してきました。登録すれば全職員が利用できますが、職員によっては活用シーンをイメージしづらい場合もあります。そのため、東京出張の拠点としての利用はもちろん、愛知県庁を訪れる際に名古屋のワークスタイリングを利用できることや、他自治体の職員を招いた情報共有の場としても使えることなど、なるべく丁寧に提案するように心がけています。

■使い勝手

駅近の便利な立地、安心のセキュリティ

――ワークスタイリングの使い勝手は、いかがでしょうか。

清水様:ワークスタイリングは、どの拠点も駅から徒歩圏内にありますよね。また、不特定多数の人が出入りするカフェとは異なり、ネット環境やセキュリティ対策が整っている点も大きな安心材料です。会員企業は三井不動産の審査を経ていますし、有人の受付で入退館もしっかり管理されています。私たち職員は機密性の高い情報を扱うことも多いのですが、安心して業務に集中できます。

職員の利用登録が非常にしやすい点も助かっています。さらに、ワークスタイリングのウェブサイトには利用方法をまとめたコーナーもあるので、我々が個別に説明しなくても、職員がスムーズに使い始めることができています。

――コスト面はいかがでしょうか。

山﨑様:かつて設けていた東京事務所と賃料のみで比べると、約50%に削減。また、当時の東京事務所は常駐職員3名が利用できるほどのスペースしかありませんでしたが、ワークスタイリングは登録した全職員が必要なタイミングで利用できるので、1人あたりの費用で考えてみてもかなり下がったと感じています。


■導入による成果

ワークスタイリングで生まれたAGCとの連携とコスト削減

――ワークスタイリングを利用することで、民間企業との交流や人脈は広がりましたか?

清水様:はい。ワークスタイリングに常駐するコミュニティマネージャーの存在が、非常に大きいですね。コミュニティマネージャーは日頃から、さまざまな会員と接しています。私たちも連絡を密に取らせていただいており、「岡崎市に関心のある会員企業さんはいませんか」といったフランクな投げかけにも、具体的な形で返してくれることがとても多いです。

――実際、企業との連携につながったケースもあったのでしょうか?

清水様:一例として、AGC様との連携があります。2024年3月にコミュニティマネージャーの方から「自治体との連携に興味を持っている企業の方がいるので、一度お会いしてみませんか?」と連絡をいただきまして。ちょうど私が上京する予定があり、早速AGCの担当者の方とワークスタイリングで会うことができました。

話を伺うと、AGC様が開発した窓設置カメラ「ミハルモ」について、実証実験ができる場所を探しているとのことでした。一方で岡崎市は、毎年開催している花火大会で課題を抱えていました。具体的には、警備モニタリング用の屋外カメラの設置費用が高額であること、そして通信環境の影響で映像の伝送に遅れが生じ、リアルタイムのモニタリングが難しいことでした。

そこでAGC様にご協力いただき、花火大会で実証実験を行いました。その結果、大会の都度100~200万円ほどかかっていた屋外カメラの運用費用を、20~30万円程度まで抑えることができました。

AGC様とは現在も継続的にやり取りさせていただいており、新たな連携の可能性も模索しています。こうした出会いは、ワークスタイリングを利用していたからこそ実現したものだと感じています。また、運用費用の大幅な削減は、市議会にワークスタイリングの利用について理解を得るうえでも大きな成果となりました。

――この他にも成果があれば、ぜひご紹介ください。

清水様:はい。ワークスタイリングの協力のもと、旧八重洲や霞が関の拠点に入居していた一定期間、受付に岡崎市ゆかりの品を展示させていただきました。

当時、専用スペースを借りてはいたものの、職員は常駐していませんでした。しかし、こうした展示を通じて、岡崎市役所がこの拠点に入居していることを会員の方々に自然に知っていただくきっかけになったと感じています。

今は、自治体自ら企業との接点をつかみ取りに行く時代

――ワークスタイリングは、どのような自治体に向いていると思いますか?

清水様:首都圏だからこそ得られる人材や人脈、企業とのつながりを求める地方自治体は、非常に多いと感じています。こうした自治体にとって、ワークスタイリングは有効な選択肢になると思います。

日本はこれからさらに人口減少が加速していきます。人口約38万人の岡崎市も、その流れはすでに始まっています。自治体も新しいことに挑戦し、感度の高い人材や企業との接点を自らつくりにいかなければならない。私たちには、そんな危機感があります。


■今後の展望

東京事務所を新設、ワークスタイリングを上手に併用

――2026年4月に東京事務所を改めて設置された一方で、ワークスタイリングも並行して利用を継続いただいています。

清水様:はい。東京事務所を開設し、職員1人が常駐しています。省庁や国会議員、さまざまな企業とのパイプづくりをさらに進めるとともに、シティプロモーションにも力を入れ、関係人口や交流人口の拡大を図っていくことが狙いです。

一方で、ワークスタイリングは専用スペースプラン(FLEX)から従量課金プラン(SHARE)へと変更しました。しかし、幅広い部署の職員が霞が関や八重洲をはじめ、全国の拠点を活用していくことは変わりません。

――最後に、岡崎市役所が見すえる今後の展望について、ぜひお聞かせください。

清水様:岡崎市を含む西三河エリアは、自動車関連をはじめとした製造業が盛んな地域です。こうした地場産業を大切にしながら、首都圏だからこそ出会える企業や人とも積極的につながり、新たな事業の創出に取り組んでいきたいと考えています。

10年先、20年先を見据え、岡崎市民、さらには西三河エリアの市民のみなさまがより豊かに暮らせる環境づくりを進めていく。そのためにも、今後もワークスタイリングを上手に活用していきたいと考えています。

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