バーチャルオフィスを利用して起業した際に、開業届に住所をどう書くのか悩む方に向けて、個人事業主と法人のケースに分けて解説します。納税地がどこになるのか、自宅の住所を利用する注意点についても解説しますので、起業に際してバーチャルオフィスの利用を検討しているのであれば要チェックです。
個人事業主が事業を始める際には、「個人事業の開廃業等届出書(開業届出書)」を税務署に提出しなければなりません。開業届出書には、「納税地」「納税地以外の住所地・事業所」を記載する欄があり、「納税地」の欄に通常なら自宅住所や事業所を記載します。
「納税地以外の住所地・事業所」の欄は、納税地と別の住所で、主に事業を行う場所や拠点がある場合に記入が必要です。例えば、住民票の住所が「納税地」で、別の場所に事業所がある場合、事業所の住所を「納税地以外の住所地・事業所」の欄に記載します。
自宅を納税地とする場合は、賃貸契約によっては事業所として利用できなかったり、引っ越しの度に納税地を変更したりする必要があるので注意が必要です。バーチャルオフィスを利用すれば、バーチャルオフィスの住所を納税地として書くことができるため、自宅を引っ越すたびに納税地を変更する手間も省けます。
なお、納税地をバーチャルオフィスの住所にする場合は、バーチャルオフィスのある地区を管轄する税務署に申告する必要があるので、現住所に近いバーチャルオフィスを選んでおくと便利です。また、納税地には税務署からの郵便物が届きます。自宅とバーチャルオフィスどちらの方が郵便物を見逃さないかという観点でも検討しましょう。
一方で、法人の場合は原則として「本店所在地」として登記をした住所が納税地となります(※)。
※"国税庁 A1-6 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する手続"参照
個人事業主がバーチャルオフィスを納税地にする際の開業届の書き方について紹介します。開業届は国税庁のホームページ(※)からダウンロード可能です。
開業届の右上にある「納税地」「上記以外の住所地・事業所等」の欄に、バーチャルオフィスの住所と自宅住所を記載します。
【バーチャルオフィスを納税地にする際の書き方】
納税地 | 「事業所」にチェック バーチャルオフィスの住所 |
上記以外の住所地・事業所等 | 自宅住所 |
なお、「納税地」を自宅住所、「上記以外の住宅地・事業所等」をバーチャルオフィスの住所にすることも可能です。バーチャルオフィスと自宅住所、どちらを納税地にするかで開業届の記載を検討しましょう。
普段自宅を仕事を場としている場合、電気代やインターネット料金などの光熱費を事業用として経費計上する場合は「納税地」「上記以外の住所地・事業所等」に自宅住所とバーチャルオフィスの住所2つを記載する必要があります。
「上記以外の住所地・事業所等」を空欄にしてしまうと、自宅かバーチャルオフィスの片方しか経費計上できない場合があるため、両方経費が発生する場合は2つの住所を記載するようにしましょう。
また、自宅の住所からバーチャルオフィスへ変更したい場合は、確定申告書の納税地欄に新しいバーチャルオフィスの住所を記載します。以前は「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」の提出が必要でしたが、令和5年1月1日より不要になりました。
※"国税庁 A1-6 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する手続"参照
※個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)のダウンロードはこちら(国税庁HP)
法人を設立した場合は、「法人設立届出書」を管轄税務署に提出する必要があります。「本店又は主たる事務所の所在地」をバーチャルオフィスの住所にした場合、納税地にはバーチャルオフィスの住所を記載するケースが多いです。
法人設立届出書は、開業届と同じく国税庁のホームページ(※)からダウンロード可能です。
【法人設立届出書の住所の書き方】
本店又は主たる事務所の所在地 | バーチャルオフィスの住所 or 自宅住所 |
納税地 | 上記と同一の住所 |
ただし、法人の場合は、法人税といった国税と法人住民税をはじめとする地方税の2種類の税金を納める必要があります。法人設立届出書にバーチャルオフィスの住所を記載した場合、法人住民税に関してはバーチャルオフィスと自宅の2カ所分課税される可能性があるので注意しましょう。
詳しくは税理士に相談するのがおすすめです。
また、法人を設立後に納税地を変更する場合は、「納税地の異動届出書」を提出する必要があります。書類には「現在の納税地」と「新しい納税地」の両方を記載し、「現在の納税地」に管轄する税務署に提出しましょう。なお、移転先の税務署にも通知が必要な場合もあるため確認が必要です。
自宅の住所を本店所在地にした場合、国税庁の法人番号公表サイトで登記先住所として自宅の住所が公開されてしまいます。
法人の情報は公開情報であるため、誰でも閲覧できることを念頭に置いて、自宅の住所を本店所在地とするか検討しましょう。バーチャルオフィスであれば、自宅の住所は公開されることがないため、プライバシーの観点からバーチャルオフィスを利用することはメリットがあります。
賃貸物件によっては、賃貸物件を事業所として利用できない契約になっていることがあります。そのため、自宅としている賃貸物件を本店所在地として利用しようと考えているのであれば、事前に管理会社や大家さんに確認するのがおすすめです。
自宅住所で開業したものの、住所をバーチャルオフィスに変更する際、納税地を記載した所得税もしくは消費税の申告書を確定申告書上で作成し、e-Taxより提出してください。
また令和5年1月1日以前は「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」の提出が必要でした。現在は提出の制度がなくなっています。
三井不動産が運営する「ワークスタイリング BASE」は、14カ所のビルのうちの1つを拠点として登記でき、契約拠点のオープンスペースを無料で利用できるサービスです。大手町や新宿、日比谷、六本木などの主要なオフィス街にあり、設備の充実したハイグレードビルを事業の拠点とするため、取引先との商談でも信用や好印象を与えられます。
また、全国約550拠点のサテライトオフィスも利用することができます。貸し会議室やカンファレンスルーム、1人用個室、広々としたオープンスペースが利用可能(※)。仕事柄、来客対応や外出、出張が多い方にもおすすめです。
※契約拠点以外のオープンスペース利用や会議室、カンファレンスルーム、1人用個室の利用は従量課金制です。
入会金・初期費用 | 事務手数料1人当たり5,500円(税込)、保証金2か月分の月額料金 |
月額料金 | 77,000円(税込)~99,000円(税込) |
保証料 | 2か月分 |
事務手数料 | 5,500円(税込)/人 |
貸し会議室、カンファレンスルーム、1人用個室 | 全国約550拠点の会議室、カンファレンスルーム、1人用個室を利用可能 利用料金は拠点ごとに異なります |
借りられる住所 |
ワークスタイリング 東京ミッドタウン八重洲 ワークスタイリング 東京ミッドタウン(六本⽊) ワークスタイリング 東京ミッドタウン⽇⽐⾕ ワークスタイリング 新宿三井ビルディング ワークスタイリング 汐留シティセンター ワークスタイリング ⽇本橋三井タワー ワークスタイリング 品川 ワークスタイリング 霞が関ビルディング ワークスタイリング 大手町 ワークスタイリング 豊洲 ワークスタイリング 横浜東口 ワークスタイリング 後楽園 ワークスタイリング 神保町 ワークスタイリング ららテラス武蔵小杉 |
バーチャルオフィスを利用して起業する際の開業届の住所の書き方を紹介しました。住所をどう記載するかによって、納税地が異なります。個人事業主であるか、法人であるかによって、提出する書類や書類に記載する住所の書き方も異なるので注意してください。
バーチャルオフィスや「ワークスタイリングBASE」のようなサービスを利用することで、自宅を事業所として利用できるかの確認の手間や住所が公開されることを避けられるといった利点があります。
起業の際は、「ワークスタイリングBASE」をぜひ検討してみてください。
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