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ハイパフォーマーインタビューVol.2

NPO法人ミラツク 代表理事
テーマエキスパート
西村 勇哉 氏

今回お話を伺うのは「ハイパフォーマ14ケ条」の生みの親の1人である西村さん。NPO法人の代表、理化学研究所のデザイナー、大学の特任准教授と多彩なフィールドでハイパフォーマンスを生み出す西村さんに「ハイパフォーマ14ケ条」策定の経緯やご自身が仕事をする上で大切にしていることについて伺いました。

 

「ハイパフォーマ14カ条」※1は、どのような経緯で生まれたのでしょうか?

プロジェクトがはじまったのは、おそらく2017年頃でした。当時ちょうど「WORK STYLING」はできていなかったと記憶しています。最初は私とKさんという方の「これからのオフィスはパフォーマンスに寄与していけるサービスや設えが必要」という会話がきっかけとなって2人でプロジェクトをスタートさせました。当初の呼称はハイパフォーマーたちの叡智を集めるという意味で「叡智プロジェクト」。時間管理術等ではなくて、ハイパフォーマーが実践している自己の整え方であったり、ハイパフォーマンスが出せる状態への持って行き方を方向性で追求していきました。まずは経営者の方、新規事業を成功させている方、リーダーの方を中心に、ハイパフォーマンスを生む秘訣をインタビューしていき、その回答を集約していくと14の項目になりました。それをワクスタ会員の方2,000名くらいにアンケートをした検証もしています。このようにして誰かの思い込みや経験による偏りはできるだけ排除し、客観性を突き詰めてできたのが「ハイパフォーマ14ケ条」です。

「ハイパフォーマ14カ条」の中で、特に大切にしている項目を教えて下さい。

其の9「美しさという感性に従って、選択し、生きる」
「美しさ」と聞くと化粧品メーカーやファッションブランドを連想してしまうかもしれませんが、私は美しさとは外面を取り繕うものではなく、もっと根源的な概念だと思っています。もちろん個人によって「美しさ」の基準は異なりますが大きな括りではそんなに差異はないかなと。美しさの観点は、食べ物が腐っている、というようなクオリティが高い低いという評価から始まっているという考えがあります。そういう根源的な概念を昇華して概念化したものが「美しい」なんだと思います。例えば「美しい風景」と聞いて思い浮かべるイメージって人の経験値によって様々ですが、ここで「曇り空」を思い浮かべる⼈ってほとんどいないですよね。そういう意味で美しいという概念はある一定の共通認識だと思うんですよね。

其の14「逆境においても、柔軟な考えを大切にする」
これは実際に実践するのは難しいんですが、やはり大事だなと思います。人ってしんどい時にどう判断するかが重要で、しんどい時って判断が鈍っているのですが、ふつうの判断ができない時に柔軟な思考ができるのはすごく理想的だと思います。コロナ禍でも大地震でも、大変なことってたくさんあります。こういう時に大変だからって早く反応すれば最善とは限りません。例えば大地震の時に早く逃げた人が全員助かるわけではない。それよりも大変な時こそ一拍おいて、その間に判断したことの方が確率論的にはまだマシだと思うんですよね。私自身もどこまで実践できているか自信がないのですが、いつも一拍おいて判断することを心がけています。

其の4「感覚を研ぎ澄まして、世の中を見渡す」
私は論理的に物事を進めるのが好きなタイプだからこそ、感覚を研ぎ澄ませることは大事にしています。物事の準備や計画等は論理的思考で進められるんですが、いざ物事を実行する時って感性が必要なんです。ロジックの良さは「どう繰り返されていくかが想像できること」「数値を変えてシミュレーションできること」だと思うんですよ。予測が立てられるから、計画ができる。そしてその土台がしっかりしている方が遠くまで飛べる。ロジックという土台がしっかりとしていれば、飛ぶために必要なのは感性。だから日頃から感性を磨くことは大切にしています。

コロナ禍による仕事や価値観の変化などがあれば教えて下さい。

我々は10年前から100%テレワークの組織だったので、働き方の変化はほとんどありませんでした。元々「出勤したくない」という想いが根底にあって、職員も色んなところに住んでいます。変化があった部分では、クライアントとの打合せもオンラインになったので、移動が少なくなりましたね。今の時代って「時代が進むスピードが早い」と言われていますが、こういう時代においては「賞味期限が短い価値」はすぐに無用になってしまうので「賞味期限が長い価値」を身に着けておくことが大切です。これがあれば、時代が変わっても安定して高いパフォーマンスを出せると思います。

【プロフィール】
西村 勇哉
NPO法人ミラツク 代表理事 /
国立研究開発法人理化学研究所未来戦略室 イノベーションデザイナー /
大阪大学社会ソリューションイニシアティブ特任准教授
1981年大阪府池田市生まれ。大阪大学大学院にて人間科学(Human Science)の修士を取得。人材開発ベンチャー企業、公益財団法人日本生産性本部を経て、2008年より開始したダイアログBARの活動を前身に、2011年にNPO法人ミラツクを設立。セクター、職種、領域を超えたイノベーションプラットフォームの構築と、年間30社程度の大手企業の事業創出支援、研究開発プロジェクト立ち上げの支援、未来構想の設計、未来潮流の探索などに取り組む。

※1:「働く場」ではなく「新しい働きかた」を提案するワークスタイリングとして、コロナでさらに変革を求められるビジネスパーソンの「ハイパフォーマンスを実現する働きかた」をサポートする意図で、昨年ワクスタ会員2300人へのアンケートと12名の社会的にハイパフォーマー※2と言われる方への独自インタビューから作成したハイパフォーマー指針。

※2:ハイパフォーマーとは、「決められた時間内で数字的な効率を追う」ということだけでなく、環境変化にも軽やかに適応しながら自分のリズムを整え、社会的・組織的に価値の高いアウトプットを生み出し続けることができることと広く定義。

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