Theme Expert Interview テーマエキスパートインタビュー

今月のテーマ「宇宙ビジネス」

これからの時代のキーワードである「宇宙ビジネス」。イーロン・マスクの活躍や民間企業の宇宙事業参入などといったニュースを目にすることは増えましたが、宇宙ビジネスの実態を具体的に知っている人は、まだまだ少ないことでしょう。そこで今回は、宇宙ビジネスの最先端を知る宮下さんにお話を伺ってきました。

宮下さんの普段のお仕事について教えてください。

アクセルスペースという会社でCTOをやっています。CTOって聞き慣れないかもしれませんが、わかりやすく言うとエンジニアパート全体の責任者です。当社の事業内容は、大きく分けて2つ。1つはお客様のニーズにあった人工衛星をオーダメイドでつくって打ち上げています。我々はこれを「専用衛星」と呼んでいます。2つ目は、人工衛星からの衛星画像を販売するビジネスです。こちらは「アクセルグローブ事業」と呼んでいます。

アクセルスペースは、どのようにして誕生したのですか?

アクセルスペースは学生時代に3人で創業した大学発のベンチャーです。当時は人工衛星の製作・打ち上げに何億円とかかるのが当たり前でした。そんな時代に我々は手作りで人工衛星をつくり、打ち上げることに成功しました。大学卒業後は就職するという道もあったのですが、そのまま自分たちで起業。今でこそ宇宙ビジネスのスタートアップ企業というのは多いのですが、2008年当時に創業した会社はほとんどなくて、当時あったのはイーロン・マスク氏で有名な「スペースX」など数社ぐらいでした。我々より1年早く創業していますね。当時は宇宙ビジネスをベンチャーでやるというのは、まだ難しい時代でした。そういう意味ではうちはかなりの老舗と呼べるかもしれません。

宇宙ビジネスが発展すると、どういうことができるようになるのですか?

専門でもある人工衛星でお話をすると、我々は世界中のリアルタイムの様子を衛星から確認できるものをつくりたいと思っています。例えば去年、ブラジルで森林の大火災があったのですが、これも人工衛星で監視することができれば、火種の時点で発見して消し止めることができるようになります。また、森林の違法伐採なども衛星で確認できれば、すぐに現場にヘリを飛ばすことも可能になります。また、山のがけ崩れを初期段階で発見したり、駐車場の混み具合をすぐに確認することもできます。つまり1日ごとの地球のちょっとした変化を確認することができるのです。また、ワインの生産地として世界的に有名な「ブルゴーニュ」。例えばここの土壌や気候の毎日の変化など、あらゆる情報を機械に学習させて人工衛星で探せば、ブルゴーニュ同様のポテンシャルを秘めた土地も新たに見つかるかもしれません。とにかく「宇宙を身近に」というのがアクセルスペースのビジョンですので、色んな人が気軽に宇宙を使ってもらえる世界をつくりたいですね。

宇宙ビジネスは今後どのように発展していくのでしょうか?

2020〜30年の期間で、宇宙ビジネスは民間で爆発的に拡大します。あらゆるジャンルの事業が今後、宇宙ビジネスに関わっていくことになると思いますので、今から宇宙ビジネスへの参入を考えるのも良いと思います。2030〜40年になってくると、有人の宇宙旅行とか、月や宇宙での生活という段階になってもおかしくないので、そうなると衣食住に関わること全てが宇宙に必要になってきます。宇宙でどういう食が必要なのかとか、どういう服が適しているのかとか、住む空間とか、また宇宙に本屋さんがあるとか。また、現在は我々エンジニアが実用性・機能性のみで宇宙船等を設計していますが、将来はそこにデザイナーなども関わってくると思います。現在からの20年はすごく面白い時代になると思いますよ。

ワクスタの会員とどのような協働ができると思いますか?

もし人工衛星をつくりたいという会員さんがいればドンピシャですね。他にも独自のセンサーやカメラをもった企業が「これを宇宙から使いたい」という要望があれば、それを搭載した人工衛星を打ち上げることもできます。もう一方で世界中のどこでも人工衛星から撮影できますので、その画像を使ってビジネスを行いたい方のお力にもなれると思います。例えば、海外で工事を進めている案件があれば、宇宙から進捗を確認することも可能です。このように衛星画像を使った事業がありましたら、我々のビジネスとばっちりマッチするので、直接お手伝いすることができます。また、テーマエキスパートとしましては宇宙ビジネス全般の相談をしていただいて構いません。現在、宇宙ビジネスは6つのセグメントに別れています。1つ目はロケットをつくる事業、「スペースX」社がここですね。2つ目は人工衛星をつくる事業、これは我々の会社の事業です。3つ目は、人工衛星のデータを使って利活用する、衛星データ事業。4つ目は宇宙デブリを回収するような、軌道上で色々サービスをする事業。5つ目が人を運ぶ、宇宙旅行事業。最後の6つ目がエンターテイメント事業です。これらのような事業ドメインがあります。宇宙ベンチャーの経営者はみんな横でつながっていますので、私にご相談いただければ、宇宙ならどんなジャンルでも支援することができます。また、私自身もエンジニアであり、12年間会社を経営してきた経営者でもあるので、技術面でも経営面でも相談に乗ることができます。

プロフィール

宮下 直己

宇宙ビジネス、人工衛星、 衛星画像ビックデータ

株式会社アクセルスペース
取締役 / CTO

TE 宮下 直己さんの一問一答コーナー

最近、嬉しかったことは何ですか?
家族で「重陽の節句」のお祝いをしたことです。日本には五節句というものがあって、1月7日は「人日の節句(七草の節句)」、3月3日は「上巳の節句(桃の節句)」、5月5日は「端午の節句(菖蒲の節句)」、7月7日は「七夕の節句(笹の節句)」とこの4つの節句は知られているのですが、なぜか9月9日の「重陽の節句(菊の節句)」だけがすごくマイナーなんですよ。江戸時代には五節句の中で一番盛り上がるイベントだったんですけどね。また、お酒にまつわる節句なので、日本酒メーカーさんとか重陽の節句を盛り上げるキャンペーンとかやってほしいななんて思っています。
子どものころの夢を教えてください。
宇宙飛行士でした。4歳の時に祖母の家で宇宙から眺めた地球の写真を見せてもらって、そこから宇宙に憧れをもちました。「こんなに綺麗なんだ」「宇宙に行ってみたい」という想いそのまんまでここまできましたね。大学も宇宙工学を専攻して博士号をとって、宇宙ビジネスのベンチャーを起業するという非常にシンプルな人生です。振り返ってみればずっと宇宙工学の勉強をしてきましたね。
好きなものを教えてください。
アート全般が大好きです。音楽だとクラシックは聴き尽くしたと言えるくらい聴きつくしましたし、その他の分野でも「岡本太郎」「ピカソ」「ロバート・キャパ」なんかの話をすると一晩中話が尽きません。岡本太郎さんは「芸術は爆発だ」という言葉を残しましたが、この言葉にインスパイアを受けて私は「制約は爆発だ」と考えるようにしています。人類の歴史を辿っていくと、世の中の革命とか新しい発明って、制約を越えようとする時に生まれているんです。人間って「何でもいいよ、自由にやっていいよ」と言われても、たぶん何も上手くできないと思うんですよ。例えば時間とか資金とか、制約を何とか越えようともがいた先に、何か凄いものが生まれると考えています。
100年後と100年前、どちらに行ってみたいですか?
うわ、面白い質問ですね。うーん、テクノロジーを追求する工学エンジニアという立場だと100年後に行ってみたいです。だけど、日本の文化だったり芸術が好きな個人としては100年前に行ってみたいですね。

宮下 直己さんから
会員の皆さんへのメッセージ

お問い合わせ

Contact

お気軽に下記よりお問合せください。

(平日9:00~17:30)

※お問い合わせの回答には数日いただく場合があります。お急ぎの際にはお電話にてお問い合わせください。

オープン予定
  • 東陽町
  • 中目黒
  • 赤羽
  • 二子玉川
  • 荻窪
  • 下北沢
  • センター北
  • 自由が丘
  • 登戸
  • 戸塚
  • 浦和
  • 名古屋
  • 大手町